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| 第24号(平成14年12月25日) | |
| ■第81回全国高校サッカー選手権大会 |
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冬の高校サッカー選手権への出場権をかけて、神奈川県予選の頂点に立ったのは山本監督率いる桐蔭。 3連覇というプレッシャーを見事にはねのけ、栄冠を手にした桐蔭学園高校。その強さはどこから来るものなのだろうか。 今回の取材を通して、一試合観戦するごとに、監督にインタビューをするたびに、その謎に少しでも近づければと思った。 準々決勝 1ゴール守り切り辛勝 桐蔭学園高校は、阿部祐太朗選手のワールドユース(以下、WYと略)参加のため予選を免除。準々決勝から姿を現わし、相手は日大藤沢高校。 試合が行われた平塚馬入ふれあい公園は、冬の寒さを感じないほど暖かく晴天に恵まれた。 桐蔭の攻めは、天候とは反対に湿りがちで、全体的に重さを感じた。予選免除で選手達に試合感が戻らないのか、ちぐはぐなプレーが見立ちボールがスムーズに回らない。 それでも前半、9番八太選手があげたゴールを守備陣が粘り強く守りきり辛勝。途中出場した期待の阿部もWY帰りのせいか体が重たく見えた。 試合後に監督から聞いた「もっとできる選手達だから」と言う言葉にも、普段の力が出し切れなかった歯痒さが出ていた。 インタビュー後、僕はロッカーで頭をうなだれて猛省している桐蔭の選手達の姿を想像した。 準決勝 終始、攻撃の手緩めず 準決勝の相手は代表経験者を要する桐光学園で、事実上の決勝戦と言う声も聞こえた。 お互いの強さも弱さも知り尽くした相手だけに、厳しい試合になることは容易に予想できた。 前半、桐蔭が1点を先制したものの緊張した場面はなおも続いていた。 しかし、後半に入るとトップギアに入った桐蔭はサイドを使って怒とうの攻めを見せる。 ハーフタイムにとばした山本監督の激が効いたのだろうか。 相手のミスもあったが、笠にかかって攻め続けた。終わってみれば6得点の大量点。桐光相手にしての大量得点に多少の笑みを見せて貰えると思いきや、阿部選手の口からは反省の言葉が聞かれた。 同様に山本監督の口からは、3連覇を意識しつつも、「3連覇は意識しないと言えば嘘」「けれども決勝の相手が一番強いから、これからです」と、全く気のゆるみを感じさせない。 決勝 県下頂上決戦! そして迎えた決勝戦の相手は、今年から開幕した「関東U-18リーグ」初代優勝校の弥栄西。 まさに今が旬で、今年最強のチーム。同大会でMVPを獲得したボランチの養夫選手を中心に、サイドを使っての分厚い攻撃には迫力がある。 最高の試合を見ようと大勢の観客で三ッ沢競技場のスタンドは埋まり、最高の応援に、最高のプレーで答えようとする両校のイレブンが集まった。 前半から高い位置でプレスをかける弥栄西と左サイドを中心に攻めに出る桐蔭。 一進一退の息も着かせぬ攻防が観客を虜にしていく。 後半に入り、体力的に苦しくなってきた弥栄西の早いプレスが見られなくなる。 桐蔭はその隙を見逃さずに深い位置へと攻め込む。ロングスローから先制点に結びつけた桐蔭の勢いは増し、決定期を確実に決め3点を奪う。 何とか同点に追いつこうとする弥栄西も終了間際に1点を返したが、無情にも試合終了の笛が鳴る。 膝から倒れ込む白いイレブン。嬉しさを確かめるように互いに抱き合う青いイレブン。 全国大会への出場は安定した守備と高い攻撃力を披露した桐蔭高校が決めた。 優勝が決まった喜びを表す選手達。3連覇という偉業を成し遂げたものの、全国という新しい戦いはすでに始まっている。 今日の優勝を「あくまでも通過点」「目標は国立」と言い切る山本監督。 同様のコメントをした阿部選手。この一瞬の喜びを味わいながらも、頭の中では既に次の対戦に意識が向いているのだろう。良い意味での大人であり、良い意味での無邪気な子供であるこの年代を、強く堅くまとめてきた山本監督の手腕は素晴らしいと感じた。 WY代表の阿部選手にだけに注目されがちだが、その阿部選手を上手く囮に使ったプレーや、その阿部にボールを信じてオーバーラップをする選手たち。意思の統一と信頼関係、常に高い目標を持つことが桐蔭高校の強さではないだろうか。 今回の取材を通じて、また1つサッカーの楽しみ方を発見した。 |
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