あだち・りょう
横浜フリューゲルスユース監督、
横浜F・マリノスユース監督を経て
2004年2月からU-16日本代表コーチ   安達 亮 (横浜F・マリノスユース監督)



 「みなさん、こんばんわ。横浜Fマリノス・ユース監督の安達亮と申します。大友監督をはじめ、選手のみなさん、スタッフのみなさん、国体優勝本当におめでとうございます。

 僕には、常日頃から選手たちに言っていることがあります。それは、 団体競技・団体スポーツで勝つための第一条件は、「チームワーク」 だということです。いいチームワークがなければ、いいチーム戦術など ありえません。つまり、まずチームワークありきで、その次がチーム戦術、そして一番最後に必要になってくるのが個人の能力であると僕は考えます。今年も神奈川の国体チームをちょっと遠目から見させていただきましたが、本当にチームワークの良さといいますか、それは選手だけではなく、監督・スタッフとの関係を外から見ることによって、ものすごい一体感を感じずにはいられませんでした。

 ウチ(横浜F・マリノスユース)の選手は、僕が教えているのでよくわかるんですが、 ちょっとツカミづらいところも正直あると思うんですよ(笑)。いざというときに何かと上手くまとまらないことがよくあったんですね。チームとしては全国のタイトルを獲ることができなかったので、 僕自身は選手たちにすごく申し訳ない気持ちがありました。ですから、今回たまたまウチの選手をたくさん選んでいただき、 彼らに日本一の勲章を与えてくださった大友監督には本当に感謝しています。そして、マリノスの選手が多数を占める選抜チームのなかで、 キャプテンとしてチームを一つにまとめてくれた本田拓也(桐光学園高)に、僕は尊敬の念を抱いています。 (まわりの選手から冷やかされながらも、起立して一礼をする本田選手)

 今回優勝したことで選手のみんなに言っておきたいのは、たしかに自分たちが 成し遂げたことはすばらしいことなので、これを自信にしても何の問題はありません。 しかし、みんなのサッカー人生にはまだまだ長い続きがあると思うので、 自信にすることはあっても、決して過信にだけはしないようにしてほしい。2年生の選手は、来年も選ばれるという保証はどこにもないし、 神奈川県は本当に選手層が厚いので、よりいっそうがんばってください。勝ったときのチームって、本当にチームワークが良かったからこそ勝てたと思うので、これから何年先も、日常生活でもいい付き合いをしていってほしいと思います。

 最後に、ウチのトップチームの監督・岡田武史さんがおっしゃっていた言葉を ご紹介させていただきたいと思います。

    『現状維持を考えた瞬間が後退の第一歩となる』

 もちろん神奈川県としては、今年国体で優勝できたから、来年も優勝を意識することは当然です。 しかし、そこで現状維持を求めるのではなく、同じ勝つにして他を圧倒して優勝するくらいの 意気込みを新チームの選手たちにはぜひ持ってほしいです。来年以降のことを考えますと、国体もU-16化の方向に進めるという話もありますし、 それならばU-16化したときの国体の初代王者になってやろうとか、さらに高い目標を もつことが大切だと思います。

 ここにお集まりになられたみなさまは、グラウンド内ではなかなかご協力きないかもしれませんが、 グラウンドの外に目をむければできることがたくさんあると思いますので、 僕も含めて神奈川県の国体チームをこれまで以上に応援していきましょう!」

< 追記 : 安達亮氏は2004年2月からナショナルコーチングスタッフ(U-16日本代表コーチ)に就任されました >