よしかわ・まさる   吉川 勝 (FC本郷 代表)


 「みなさん、こんばんわ。きょうはこの会場に着いてから、ひとことしゃべるように言われまして。 何を話そうかなぁと思ってたんですが……さっきからちょっと飲みすぎてこんな真っ赤になっちゃいました(笑)。まずは19年ぶりの優勝、本当におめでとうございます。 選手のみなさん、彼らを支えるスタッフの方々、そして協会とが本当に一体となった結果だと思います。

 選手のみなさんはこれからの進路が気になると思いますが、なかにはまだ決まっていない人もいるかもしれませんね。実は、きょうここに昭和61年、62年の大会でベスト8になったときに選手として出場していた、健太と同じクラブ(FC本郷)出身の……どこかにいますなぁ……あっ、矢田!(笑)  彼は昨年まで流通経済大学に在籍し、今年から神奈川大学のサッカー部監督に就任しました。

 いまここにおられる方のなかで将来まだちょっと不安な選手は、ちょうどそこに矢田がいるから、いまのうちに!(選手笑)。矢田の一番いいところは、一度引き受けたことは決してヤダと言えない人間なんでね。いろいろな人たちと接して、先輩方を頼って自分の目的を達成させるのもひとつの方法だと思います。

 それから、健太のことも何か話さなければなりませんが(司会の大野先生に勧められ壇上に昇るも、なぜか吉川さんに降ろされる鈴木健太選手。選手爆笑)……健太は、なかなかいい青年なんです。 いい青年だけど、うまい選手はほかにもたくさんいる。たくさんいるけど、途中でみんなズッコケる。 なぜか? 『しつけ』が悪いから(会場笑)。これは間違いありません。

 私事ですが、きょうここにきて本当にうれしかったことがありまして、それは三村恪一さん(元東邦チタニウム、現・厚木マーカスコーチ)にお会いできたことなんです。なぜかと申しますと、私どものクラブのOBに、長谷部(元ジェフ市原)や米などといった選手がいまして、そういう連中がみんな三村さんのお世話で目標を達成させています。本当にありがいことです。それで私は三村さんという方は、ごつい顔をしていて、こうガッチリとした人を想像していたんですが……実際にお会いしてみると、これがもう本当に紳士でしてね、私同様に(会場笑)。もううれしくて嬉しくて仕方がありませんでした。

 最後に選手のみなさんに伝えたいことがあります。自分の目的を達成するためには努力すると思います。他人のことはいいから、とにかく本当にもう精一杯努力をする。そこで、何が言いたいか? ひとは、努力している姿をみると必ず援助してくれるということ。先ほどの三村さんのお話ではないが、必ずだれかが援助してくれる。だからこそ上に行くことができる。ほかのことは何も言えませんが、これだけは自信を持って言うことができます。

 そういうわけで、まさかこんなところで話ができるとは思っていなかったので、 まぁ“冥土の土産”になってよかったかなぁと思います(笑)。 本当におめでとうございました。」