深谷 茂 (神奈川県サッカー協会医学委員長)
「こんばんわ。私は関東予選のときから試合を観ていたんですが、
たまたま本大会の決勝でも対戦することになるに群馬と戦って、どちらかと言えば、なんとか勝ちをものにしたといいますか、天候がすごい荒れていたこともあり、選手たちは思うように自分の力を出せていなかったと記憶しています。もちろん相手も強かった印象があります。
ですから、『えっ!? このチームがまさか……』というところも正直ありました。
そんなことを思い出しながら、実際はこのような盛大な式に望まれることになり、本当になにか
夢多い感じが私自身もしています。
今大会は、医療の方でちょっと緊張が走りまして、高校生にもドーピング検査を実施されました。ドーピング検査は、みなさんもご存知のように、風邪薬を飲んでも引っかかります。ちょっとしたドリンク剤でさえももう飲めないという厳しい制約がありますから、
急に検査を実施することが決まったので、選手たちにもかなりの動揺が走ったんではないと思われます。私たち医療スタッフは、高校生だけでなく、女子や成年の選手たちにも啓蒙のための講義をしてきましたが、スタッフとトレーナーの人たちだけに責任を負うわけにはいかないと考えた結果、ドクターも含めてみんなでサポートしていくことになりました。
私自身は今回からずっとチームに帯同し、もちろん試合も観させていただいたんですが、
結果的には1回もドーピング検査を経験することなく大会を終えました。
医療に関してはそれほど難しいこともなく、宿舎で選手たちと話していても、先ほどからみなさんがおっしゃっているように、今年の選手諸君は非常にまとまりがよかった。マリノスの選手が多いこともあると思いますが、ひとつのまとまりがさらに強くまとまっていました。選手全員がもう落ちついていて、ちょっとのことでもあまり慌てることなく、堂々としていた印象があります。準々決勝のときに宿舎を訪れたときにも「絶対に優勝しますよ」と言ってくれまして、
強がりなのかとも思っていたんですが、実際に優勝してくれましたね(笑)。彼が言っていたその言葉は今でもはっきりと覚えていますが、すごく自信にあふれていました。
我々の世界は小さなことの積み重ねが大事です。これからはトレーナーも含めたメンタル面での強化とサポートがますます必要になるでしょう。どの世界でもそうですが、優勝はひとつの大きな財産になります。強い選手になるために、ぜひこれからも身体に気をつけて自己をコントロールして、特にこれからのみなさんにとってはドーピングに対する心構えを日々気をつけながら、頑張っていただきたいと思います。おめでとうございました。」
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